お家の価格と工期

良い土地を見つけて「いよいよお家を建てよう」と決めたら、新居が完成する時期に合わせた引っ越しを考える必要があります。

お子様のいるご家庭などでは、

「子どもの入学や進級に合わせて4月から新居での生活を始めたいから3月には入居したいな」など、希望の入居時期がある場合も多いと思います。

この時、建売住宅であれば、完成済みの物件ならすぐに入居が可能です。

完成前の物件でも完成時期は予め決まっているため、希望の時期に入居できるかどうかはすぐにわかります。

しかし注文住宅の場合、希望の時期に入居するためには、工期から逆算して、間に合うように着工しなければなりません。

今回は、希望の時期に入居するために知っておきたい、注文住宅の工期の目安についてお伝えします。

<住宅の工期と価格の関係>

工期とは、建物の着工から完成までにかかる期間のことです。

注文住宅を建てる場合の工期は、2~6か月程度であることが多いです。

2か月と6か月では大きな差がありますよね!

そこで知っていてほしいことは、一般的に住宅の価格と比例しますので、「価格が高い住宅ほど、工期が長い」というわけけです。


<依頼する業者によっても変わる工期>

価格帯によって工期が変わってくるということは、注文住宅を依頼する業者によって工期の目安も異なると言えます。


・ハウスメーカー:2~4か月

ハウスメーカーに依頼する場合の工期は、2~4か月ほどが一般的です。
ハウスメーカーによって建材や工法にかなり違いがあるため、工期にも違いが出てきます。
ただし、ハウスメーカーは余裕を持たせた工期を設定している場合が多く、家づくり計画当初の期日に住める場合が多いです。

・大手ハウスメーカー:比較的坪単価が高めの会社の場合は3~4か月の工期が目安です。

一方、低価格での施工を売りにしているハウスメーカーの場合は、人件費も抑えることで低価格を実現しているケースが多く、工期も2~3か月とやや短めな場合が多いです。


・地場工務店:4~5か月

地域密着型の小規模工務店に依頼する場合、工期は4~5か月となる場合が多いです。
ハウスメーカーのように工場で部材を大量生産しているわけではないため、現場で必要になる作業が多くなるためです。
しかし、ハウスメーカーのように大々的に広告宣伝行ったり、モデルハウスを持っていなかったりするため、工期が長めな割に価格は抑えられるケースも多いです。


・設計事務所:6か月以上の場合も

設計事務所に依頼する場合、全くの何もな状態から設計した家を建てることになるため、工期も長めになることが多いです。
そもそもこだわりが強く、オリジナルな家を建てたい人が設計事務所に依頼することが多く、それに伴って工期も長くなることが多いです。

どんな家を建てるかにもよりますが、半年ほどの工期となるのが一般的で、中にはさらに長い期間がかかる場合もあります。

これらの工期を参考に、お引越しの時期などを計画すると良いのではないでしょうか。

家づくりに思い込みは禁物?!

家づくりをしている中で、予算や、土地、間取りなど決めないといけないことがたくさんあります。

いつ建てるのがベスト?

どんな家がいい?

予算はどれくらい?

どこの場所で建てる?

どこのハウスメーカーに頼む?

インターネットや雑誌、知人からのアドバイス、住宅会社からの提案などを通して情報を得て決めていきます。

しかし、たくさんの情報が溢れていて何が間違っていて何が正しいのかを判断することが難しく、思い込みで決めてしまうこともしばしばあるかと思います。

最近、ニュースや本などに出ている言葉でアンコンシャス・バイアスというものがあります。

これは自分自身では気付いていない無意識の偏見、思い込みという意味の言葉です。

それが原因で、判断を誤って失敗をしてしまうことがあるかもしれません。

例えば、

家づくりで、まず住む場所を決めないといけないと思い込んでしまい土地を探し、間取りを決めていきますが、その結果、住宅ローンが通らなかったり、総額予算が合わなかったり・・・

家づくりの順番を思い込みで考えたしまった結果、建物そのものの予算を考慮しなかった為に、結局振り出しに戻ってしまうということがあるかもしれません。
(もちろん土地探しから行うのが悪いと言っているのではありません、土地が無いエリア、地価が高いところを検討する場合や住む場所を第一優先に考えた場合は効率的に進められます)

また、思い込みは悪い結果を産むだけのものでもありません。

一度家を建てたことがあって、過去の経験からその思い込みによって正しい判断を行えることもあるかと思います。

大事なことは、どこかに思い込みがないかを考えてみることで、自分自身と向き合い、家族などの意見も聞きながら判断することだと思います。

言葉の意味をそのまま鵜呑みにすることなく、それが事実なのか、解釈なのかを考えてみると、新しい気づきがあるかもしれません。

水害に備えた家づくり

お家を建てる際には、洪水や浸水といった水害も決して「自分には関係の無いこと」と思わず、水害による被害をどう避けるかといったことも、しっかりと考えておくのが、非常に大切です。

家を建てる際の代表的な水害対策としては、盛り土があります。

土を盛って、敷地全体を高くするのです。

水は高い所から低い所へ流れるため、敷地自体を高くすれば、氾濫した水が流れてきた場合でも、河川よりも敷地が高ければ水の流れ入を防ぎ、家全体を守ることができます。

お家を立てる土地が、周囲の家や道よりも、低くなっている場合には、是非ともやっておくべき工事です。

ただ、住宅地などでは、隣のお家の日当たりを妨げてしまわないよう屋根の高さの制限があったりもしますので、高さを上げるのにも限度はあります。

また、盛り土は土ですので、それ自体の自重が重いです。

そのため地盤が弱いところでは、逆に沈んでしまう原因となってしまう可能性もあります。

河川に近い場所などは、地盤の弱い低地であることが多いです、盛り土をして家を建てる時は、その土地の特性と周囲の状況をよく考慮する必要があります。

他には、家の床を高い構造にする、という方法もあります。

住宅の基礎の部分を、通常よりも高くすることで、家自体を高くするのです。

家を建てる時は、まずコンクリートなどで基礎を作りますが、この基礎を通常よりも高く作ることで、洪水が起こってしまった時などに、床上まで浸水してしまうのを防ぐことができます。

ただ、基礎を高くして床を高くする構造の場合、床上浸水は防げても、床下浸水の可能性は十分にあります。

なお、この「床上浸水」と「床下浸水」ですが

床下浸水の場合は、基本的な対処としては3つ

1.排水・・・床板や畳を外し、溜まった水や泥をかき出します。

特に泥が残っているとにおいの原因にもなるため、

隅々までかき出し、真水で洗い流します

2.乾燥・・・生乾きのままだとカビや臭いの原因になってしまうため、

扇風機などを使い、乾燥させます。

3.消毒・・・洪水など外からの水で浸水してしまった場合、

浸水した水に下水や汚水が混じっていることが多々あります。

すると雑菌が繁殖しやすく感染症の原因にもなり得るため、排水・乾燥をさせた後にはしっかりと消石灰などまいて消毒する必要があります

一方、床上浸水の場合は、

床下浸水と比べて被害ははるかに大きくなります。

被害額は床下浸水の7倍にものぼると言われ、2階まで浸水してしまった場合などは、建て替えを視野に入れなければならない場合もあります。

このように最悪でも床上浸水を防げるよう、私たちが家づくりの相談をする際には、色々なことを視野に入れながらお話しを進めさせていただいています。